第二級活字中毒者の遊読記

酒の肴は一冊の本。旅の友も一冊の本。活字中毒者の書評と読書感想文。

Archive: 2010年10月  1/2

「新参者」東野圭吾

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少し前にドラマでやってました。視聴率も良かったはず。日本橋人形町が舞台の連作小説です。章ごとに商店街のお店がテーマになっていて殺人事件の謎解きをしていくとともに、そこで小さな人情話のオチがつくようになっています。読みながら、いかにもドラマのシナリオに向いている作りだなぁ、と思っていましたが読み終えて初出一覧見てると、小説現代になんと六年がかりで書き上げた小説だったのですね。つまり、第一章が完成した...

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「恋恋蓮歩の演習」森博嗣

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マッドサイエンティスト瀬在丸紅子と阿漕荘の面々が活躍するⅤシリーズ第六弾です。この本の後味は良かったですね最後の手紙が。前作の「魔剣天翔」を読んでいなければその面白さはわからないと思います。だが、私はその絵を見てしまった。これはもう、どうにもならない。私は、絵を見ることのできる人間だ。絵に描かれている意思が見える。やはりこのへんのくだりも「魔剣天翔」からすっと本作に入っていると理解の深さが違うと思...

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「悲惨・ブーゲンビル島」梅岡大祐

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この本は1986年旺史社から発行された無名戦士の記録シリーズの一作です。著者は既に亡くなられていますが、京都出身の再召集(一度軍を退役した後に再び召集されること)の下士官であり、彼が所属した第16防空隊(対空高射砲、重機関銃)の地獄の島ブーゲンビル島での生活の記録です。ブーゲンビル島はパプアニューギニアにあります。よくもまあこんな辺境まで戦線が拡がったもんだと思います。そりゃ日本の国力からすればこれだ...

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「パラレルワールド」ミチオ・カク

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昨今の物理学は何がブームになっているのかを詳しく教えてくれる物理本です。また、理論の歴史的な流れも改めて解説してくれています。私は数学どころか算数さえ上手に出来ません。ですので、ニュートンとアインシュタインが如何に歴史上重大な物理法則を発見したのか初めてわかりました。その数式はまったく理解できませんが、車のカーナビはアインシュタインの相対性理論なしには機能できません。つまり一見しても再見しても理解...

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「マンチュリアン・リポート」浅田次郎

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張作霖です。蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹と続いた大河巨編の続編(終章?)です。私は「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」は2回読みましたが、「中原の虹」は1回読み通しただけです。ですので、張作霖の配下についての記憶がかなり曖昧になっていました。ステッキをついた帝国陸軍中佐、彼のことは読み進めるうちにだんだんと思いだしましたが・・・前にどこかで浅田次郎のインタビュー記事を読んだ覚えがあります。日本の著名な歴史...

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