「新参者」東野圭吾

少し前にドラマでやってました。視聴率も良かったはず。
日本橋人形町が舞台の連作小説です。
章ごとに商店街のお店がテーマになっていて殺人事件の謎解きをしていくとともに、そこで小さな人情話のオチがつくようになっています。
読みながら、いかにもドラマのシナリオに向いている作りだなぁ、と思っていましたが読み終えて初出一覧見てると、小説現代になんと六年がかりで書き上げた小説だったのですね。つまり、第一章が完成した時点では最終章までのストーリーはなかった、と思います。
加賀恭一郎は「卒業」「眠りの森」「赤い指」その他シリーズものですが、私にはほぼ記憶がありません。
読んでいるはずなんですがねまあガリレオシリーズも覚えてないんですが。
つい最近、新聞の広告で「白夜行と「幻夜」が映画化ということで宣伝されているのを見たんですが、これも二つのストーリーをまったく失念していました。アルコールで脳がだいぶやられているのでしょう。

ただし、「秘密」と「トキオ」は良く覚えているんですよね。
一番好きなのは「パラレルワールドラブストーリー」なんですが。

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「恋恋蓮歩の演習」森博嗣

マッドサイエンティスト瀬在丸紅子と阿漕荘の面々が活躍するⅤシリーズ第六弾です。
この本の後味は良かったですね最後の手紙が。
前作の「魔剣天翔」を読んでいなければその面白さはわからないと思います。

だが、私はその絵を見てしまった。
これはもう、どうにもならない。
私は、絵を見ることのできる人間だ。
絵に描かれている意思が見える。

やはりこのへんのくだりも「魔剣天翔」からすっと本作に入っていると理解の深さが違うと思われます。
しかしまあ、森博嗣って凄いですね。
阿漕荘のキャラ、特に小鳥遊練無とかその引き立て方が際立って面白いです。
国立大学でセメントの固まり方だなんだとか研究していたようなおっさんとはとても思えないなり。
これからどういった人間関係が展開していくのか非常に楽しみです。
だんだんと登場人物の距離が詰まってきてるんですよね。




「悲惨・ブーゲンビル島」梅岡大祐

この本は1986年旺史社から発行された無名戦士の記録シリーズの一作です。
著者は既に亡くなられていますが、京都出身の再召集(一度軍を退役した後に再び召集されること)の下士官であり、彼が所属した第16防空隊(対空高射砲、重機関銃)の地獄の島ブーゲンビル島での生活の記録です。
ブーゲンビル島はパプアニューギニアにあります。
よくもまあこんな辺境まで戦線が拡がったもんだと思います。そりゃ日本の国力からすればこれだけ戦線が拡がれば補給線も伸びきって持たないでしょう・・・
いけいけどんどんで調子に乗った結果でしょうな。散っていった命が哀れです。

この本読んでても思ったのですが、この戦争は少尉以上の士官であることとそれ以下の兵隊であることで随分違ったものになったようですね。さらにその上の参謀本部にいるような高級将校ではまた違った生活があったのでしょう。
下級兵の餓死者が増え続けるブーゲンビル島の第16防空隊。著者が書いているとおりイモの葉、蛇、トカゲ、ムカデ、海水を薄めた汁、口に入るものならなんでも食べてなおかつ重労働に耐える兵隊と、一日中労働もせずにマージャンで遊びながら米の飯を食う士官連中。
いったい、何だったんでしょうか?

「パラレルワールド」ミチオ・カク

昨今の物理学は何がブームになっているのかを詳しく教えてくれる物理本です。
また、理論の歴史的な流れも改めて解説してくれています。

私は数学どころか算数さえ上手に出来ません。
ですので、ニュートンとアインシュタインが如何に歴史上重大な物理法則を発見したのか初めてわかりました。
その数式はまったく理解できませんが、車のカーナビはアインシュタインの相対性理論なしには機能できません。
つまり一見しても再見しても理解できない物理の理論は、立派に現代の技術社会の根幹を支えているのです。

そして、物理学は現実社会と折り合いをつけながらどう発展していくのか。
ニュートン、アインシュタインときた物理学の正しい(?)流れは、量子論という強力な波に巻き込まれ、ひも理論、M理論などが台頭し、万物理論が今まさに生まれようかとしている時代を我々人類は生きています。
もはや雑誌ムーの世界であった異次元空間の存在を考慮にいれなければ、理論が成り立たないほど、物理学も変遷しています。

この本は2006年に発行されています。
そして素粒子物理学の一大実験であるLHCは2010年現在、7兆電子ボルトでの一連の陽子衝突実験をいったん休止し、数年後にマックスパワーである14兆電子ボルトでの実験を目指して調整しています。

これらの実験成果を踏まえて発行される10年後の物理本は「万物理論」を解き明かしているでしょうか?
3次元世界を取り巻く見えない異次元パラレルワールドを見つけているのでしょうか?


「マンチュリアン・リポート」浅田次郎

張作霖です。
蒼穹の昴、珍妃の井戸、中原の虹と続いた大河巨編の続編(終章?)です。
私は「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」は2回読みましたが、「中原の虹」は1回読み通しただけです。
ですので、張作霖の配下についての記憶がかなり曖昧になっていました。
ステッキをついた帝国陸軍中佐、彼のことは読み進めるうちにだんだんと思いだしましたが・・・

前にどこかで浅田次郎のインタビュー記事を読んだ覚えがあります。
日本の著名な歴史上の人物の物語は多く書かれているが、
東アジアの歴史における傑物についてはかなり書かれ洩らされていると。
張作霖もそのうちのひとり、なのでしょう。

表紙をめくると、天蓋を破壊された列車の写真が載っていました。
ちょっと意味がわかりませんでしたね。
どうして列車で移動している要人を暗殺するのに客車の屋根が壊されているのか・・・

近代史に興味がある方は読んでみて面白いミステリーかもしれませんし、
日本人として、読んで考え、悔やんでみるのも悪くないでしょう・・・

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