「宇宙の未解明問題」リチャード・ハモンド

プロットは素晴らしいんですけど、いかんせん難しすぎました、私には
章立て見てください。
第1章「加速する宇宙」宇宙が膨張している、しかも加速度的に!
第2章「暗黒物質の正体」まあ、これは熱い話題ですね
第3章「宇宙線の謎」これも考えれば考えるほど不思議
第4章「無限量の不思議」理解不可
第5章「ヒッグス粒子は存在するか」存在しないほうが面白いと思います
第6章「量子重力の難題」これが一番おもしろい
第7章「ワームホールは存在するか」答えになってないです
第8章「ひも理論の予言」リサランドールを思い出しました
第9章「宇宙の起源」期待して読みましたが……
第10章「ミステリーノ」著者の造語。小ネタですが、これを章立てしてくれてもよかった。パイオニアとか。

章題見たら、かなり楽しそうだったんですが、読んでみるとがっかりです。
私の理解不足を差し引いても、著者独特のわき道にそれてほったらかしの筆法、尻切れトンボの結末。
著者の人が良いのは理解できますが、わからないをわからないで済まさず、もっと大胆に自説を展開したほうがよかったのでは。結局、謎を提起したまま答えは100年後に丸投げということでしょう。
とはいえ、それが当たり前なんですけどね。量子の世界と宇宙の世界、ミクロとマクロにおいての重力というものの不安定さ、いまだ見つからぬ神の素粒子、重力波さえ検出されず、ビックバンというおとぎ話、現在の最先端の物理学でもわからないことだらけ、なんですね。本当に、100年後には今の概念は覆されている確率の方が高いのではないか、本書のエピローグで著者が匂わせているのは、まさにそのことです。
一番面白かったのは、重力、グラビトン(グラヴィトン)の話題でしょうか。
著者のリチャード・ハモンドは理論物理学者ですが、重力、量子力学が専門であるようです。
だからでしょうか、第6章の「量子重力の難題」が一番、わかりやすかったと思います。
たしかに、「重力」という力は謎なんです。いまでこそ大天体の世界で重力は威力を発揮していますが、ビックバン当初の量子世界ではその存在は無きに等しいですからね。4つの力の統一は今の我々の認知世界においては無理なんでしょうか。グラビトンという重力子はいまだ発見されていません。
そして、著者はアメリカの学者であるからでしょうか、フランスとスイスの国境で展開されているLHC(大型ハドロンコライダー)にはまったく触れられていません。これは少し残念でしたね。
ただし、大げさにいえば今の現段階の物理学の認識において、くだけていえば人類を取り巻く宇宙という空間において、これだけ「わからない」ことがあるということを知るにはうってつけの本だと思います。
そして巻末の著者の問いかけ、「さて、読者のみなさんはどう思われるだろうか?」に従えばいいのです。
世界的な物理学者も、天才数学学者も、算数さえ怪しいこの私も、すべて人間にとって宇宙への距離は等しいのですから。
その見上げる星空の向こうに、きっと誰も見たことのない答えが眠っているのです。
それを想像できるだけでも幸せでしょう、私はそう思います。

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