「イナイ×イナイ」森博嗣

Ⅹシリーズ第一弾「イナイ×イナイ」を読みました。
本シリーズは2011年現在、三作が刊行されていますが、予定では全六作であるとのこと。
まだこれを読んだばかりですのでわかりませんが、S&M、Ⅴ、Gと続いた“本道”に、このⅩシリーズがどう関係していくのか、気になるところです。
結局、大して予備知識を持たずに読んだのですが、まず椙田泰男、これは保呂草です。
本編では、電話での会話シーンしか登場はありませんでしたが、エピローグで外国から帰ってきて、自分の事務所に現れます。そして、小川令子と大学の図書館に資料整理に行くのですが、ここでニアミスをするのは、東京の大学に職を得た西之園萌絵。
図書館の女性によれば、萌絵が赴任してきたのは一カ月前らしいので、本作はGシリーズ「ηなのに夢のよう」(カテゴリー・ミステリー参照)のちょい後の時間軸ということになりますか。
椙田泰男が事務所を空けていたのは、“本道”の用事であったのかもしれませんね。そういえば、四季シリーズでイタリアで保呂草と萌絵が出会った話があったように思いますが、果たして本作と時間的な関係はあるのでしょうか。

物語は、今までの森節とは少し感じが違うというか、不気味な屋敷といい、幽閉された?人間といい、まるで江戸川乱歩のようなおどろおどろしいストーリーです。
結末もここで明かすわけにはいきませんが、人間の本能が生臭く匂う汚い終わり方でした。
謎を解いていくのは、椙田探偵事務所の助手、小川令子と同じく留守番無給ボランティアの真鍋瞬一の二人です。小川は見た目と違って鈍く、真鍋はその逆で鋭いというよいコンビのような気がします。
保呂草の留守中、ふたりは佐竹千鶴という大金持ちの令嬢の依頼を受けるのです。
それは、戸籍上死んだことになっている兄が、広大な屋敷のどこかに囚われていていまだ生きているかもしれないから探してくれ、というとんでもないものでした。
亡くなった当主、佐竹重蔵の所蔵美術品調査のため屋敷に赴くことのできた彼らは、そこで凄惨な事件に巻き込まれます。千鶴の双子の姉妹、千春の依頼を受けた探偵・鷹知祐一郎は敵か味方か?
今までにないダークなトーンで展開していくⅩシリーズ初弾です。

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