「ガダラの豚」中島らも

ハードカバー二段組み約600ページの長編で第47回日本推理作家協会賞受賞作です。
まずガダラの豚って何のことか全くわかりませんでした。
さらに表紙をめくればケニアの地図。アフリカのケニアです。
物語に入ってみると、いきなり密教僧が護摩行をしています。
これからどんな話が始まるのか、どこに連れていかれるのか見当もつきませんでした(笑)

中島らもという人はすでに亡くなられているのですが、ずいぶん前にはよくテレビで拝見してました。
何かずれているというか、テンポが違うというか、変てこりんなおっさんが妙ちくりんなことを喋ってるというイメージがありましたね。もちろん著作は初めて読みました。そして印象は変わりましたね。

巻末の参考文献の数の多さにびっくりです。
ケニア国内の描写は精密で、私は絶対滞在された経験があると読みながら思ってましたが、ひょっとしたら違うかもしれません。だとしたら凄いですね。「水平線に、じゅん、と音を立てるほど真っ赤な太陽が落ち」なんてフレーズ美しいですよね。
おまけで言うと、酒と麻薬に関する記述も詳しいですがこちらは参考文献ゼロです

井上夢人の「ダレカガナカニイル・・・」もそうなんですが、この本もオウム真理教が大々的な騒動を起こす前に、新興宗教の一端を捉えているところがありました。
それにサブリミナル、プラシーボといった心理学の効果も1990年代前半でありながら詳しく取り上げられています。
私は一番唸ったのは、アフリカ呪術の効能について、日本のミミズに小便をかけると○が腫れるという俗説と似たようなものだと説明したところですね。これは考えたこともなかったですし、緻密なアフリカ民俗の描写によってとても説得力を感じました。
最後に・・というほどでもないですがバルーンを落としたのはあいつがわざとやったんでしょうね。
白と黒と黄色がそろうためにね。

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