「眠れなくなる進化論の話」ハインツ・ホライス+矢沢潔、他

全然、眠れますというか、眠たくなってきて仕方ない本です。
序盤のラマルクとダーウィンはまだしも、つまらぬ進化科学の歴史をなんの面白みもなく、独善的に滔々と念仏のように書かれている部分が長くて爆睡してしまいました。
次に目が覚めたのは、共生説の説明あたりで、本書の大部分はすでに終わっていました。
どうしてこんなに看板倒れの内容になってしまったのでしょうか。
矢沢サイエンスオフィスの本は「次元とはなにか」(カテゴリー物理・宇宙参照)が面白かったので、期待していたんですけどね。5人の著者による分担制も、各章の連携を欠いた原因であったと思います。
なんだか、盛り上がりのまったくない、それでいて要点がまったくつかめない、難しくてわかりにくい本でした。

地球の生命はおよそ175万種ほど確認されているそうです。
たぶんその中で一番偉そうにしているのは人間、ホモ・サピエンスだと思うんですけど、どうして現在、我々が地球上にこの形で生息しているのか、明確な説明は誰もできないと思うんですよね。
21世紀の現在においても、世界人口のおそらく半分以上は宗教的理由から進化という見方を受け入れておらず、アメリカでは成人の半数以上が“神による創造”を信じていることが様々な調査結果で明らかになっているようです。
200~300年前のホムンクルスという考え、生物の発生は生殖細胞の中にあらかじめ出来上がった構造があり、それが発達して個体を生み出すという「前成説」と、宗教の教義としてすべての生物は同時に創造されたという神による創造の概念は矛盾しません。つまり、世界の半数の人間はその分野で思考を停止しているということです。
それはそれでとても崇高なことだし、ある意味正しいことであるとも思います。
ですが、無神論的日本人の代表的性質をもつ私は、やはり思考を前に進めてみたい。生物の進化の謎を垣間見てみたい。そこでまず現れるのが、ラマルクという、18世紀のフランスのおっさんですが、この人は「生物の姿形は進化の過程における一形態にすぎない」と言いました。次が有名なダーウィンで、1859年に発表した「種の起源」は、人類がその歴史を通じて成し遂げたもっとも重要な科学的業績であると云われています。
ラマルクが後天的な獲得形質の遺伝という考えであったのに対し、ダーウィン理論は、生きるうえで有利な変異をもつ個体はそうでない個体よりいくらか生き延びる可能性が高くなり、その結果、同じ変異をもつ個体数は増えていく、このような選択が何世代も繰り返される結果、そこに新しい特徴をそなえた新しい集団(種)が生まれる、と説きました。自然選択です。
現在、ダーウィンの見方に公然と反論する理論はありません。
で、私が面白いと思ったのは、最近の人でリン・マーギュリスの「共生説の再興」。
20世紀後半の顕微鏡の発達により、細胞の内部微細構造が確認できるようになり生まれた成果です。
この共生説の骨子は、真核細胞のいくつかのオルガネラ(細胞小器官)は、原初の原核細胞に他の原核細胞が取り込まれた(あるいは浸入した)後、後者がしだいに変化をとげた結果として生じた、ということです。
ミトコンドリアと葉緑体は、それ独自のDNAをもっているのです。別の生命だった、ということですね。
パラサイト・イヴを思い出しました……

しかし、人間もあらゆる生物同様、何十億年も前に存在したであろうある種の原始的なバクテリアの遠い子孫であることを考えれば、気が遠くなりそうな果てしないドラマじゃないですか?
長いとはいえたかが何十億年で、目にも見えないほどちっちゃなばい菌クンが、両目を開けてパソコンをカタカタ扱うモニターの前の怪物に進化しきれるものなんでしょうか?どこかに無理がある気がするなあ。
やはり、“創造説”にも一理あるかもしれませんよ(笑)


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