「四季 夏」森博嗣

太陽の意志は穏やかに鎮まろうとしている。けれど白い砂地にはまだ充分な思慕が残留していた。
森博嗣の作品は冒頭が美しく、この四季シリーズには特にそこに哲学を感じます。
幼少期を描いた「四季 春」の続編である本書は真賀田四季の十三歳の夏がテーマです。

さて、四季の十三歳のRED SUMMERはひとまず置いといて・・・
ようやく本書にいたってS&MシリーズとⅤシリーズの関係が80パーセント判明いたしました。
Ⅴシリーズの「赤緑黒白」で私の頭に芽生えた謎の気泡がついにパチンと破裂するがごとく、それは想像を裏付けるものでした。
なんで彼は「へっ君」と呼ばれていたのか、やはりそれがポイントだったのです。
そして、作者にⅤシリーズの構想があった時点でこの「四季」シリーズの設計もなされていたことでしょう。
Ⅴシリーズから新たに、林、七夏、保呂草が登場しますし、S&Mから犀川創平、喜多が現れます。
Ⅴからの登場人物は年を重ねているのに対し、S&Mの人間は若いです。
つまりそういうことです。
時系列では、Ⅴシリーズが「四季 春」と同列であり、本書はそれから五年くらい経過した世界です。

さあ、では主人公である天才真賀田四季の十三歳ですが・・・
ずいぶん人間ぽいというか、少女っぽさもでてきて可愛らしくなっています。
たぶん他人にどう見られるかで自分の仕事の効率が大きく変化することに気付いたのでしょう。
そして、あの妃真加島の研究施設が完成します。
「すべてがFになる」で出発した物語がまたあの場所に帰ってきたのですね。
記憶の良い方なら覚えているでしょうから、本書の結末には途中で想像がつくか、記憶をトレース出来るでしょう。
文字通りのRED SUMMERです。

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