「ダウン・ツ・ヘヴン」森博嗣

 ティーチャが去り、所属する社のトップエースになったコードネーム・ブーメランこと草薙水素(クサナギスイト)。
 しかし、かつてエースだったというコードネーム・ジョーカとの戦闘で油断して負傷する。
 意に反し、大事を取って2週間入院することになったクサナギ。
 病院で、函南(カンナミ)という記憶を失くした少年パイロットと出会い、不思議に共鳴したものを感じる。
 退院後、ササクラやゴーダのいる基地から離れ、内陸の基地で若手パイロット相手に講習会と模範飛行を行ったクサナギの前に、同時出撃中に墜落死した比嘉沢の弟が現れる。そして、退院して軍服を着たカンナミも。
 クサナギ中尉は、その麗しい容貌といい記者会見が開かれるほどの有名人になっていた。
 もはや、一介の戦闘機パイロットには戻れないのか・・・それでもクサナギのアイデンティティは空だけにある。
 情報部の甲斐に、都心の本社に連れて行かれたクサナギは、甲斐の上司である萱場(カヤバ)に会い、謎のプロジェクトへの参加を要請される。それは、都心の低空で、人々に見せつけるように戦闘機同士でファイトするというもの。
 カヤバ曰く、これは単なる広報活動ではなく、国家の中枢と直結している国家的プロジェクトだという。
 空中戦が出来るなら、いずれ前線に戻してもらえるならとプロジェクトへの参加を承諾したクサナギ。
 そのときはまだ、空中戦の相手を知らなかったのだが・・・

 スカイ・クロラシリーズ第二弾です。
 ダウン・ツ・ヘヴン。Down to Heaven.
 まだまだ謎だね。これからどうなるのか、この世界は何なのか見当もつきません。
 そんな中でも、杣中という、クサナギにつきまとうジャーナリストの言ったセリフは意味深でした。
 彼はクサナギのような純粋な人間が、政治や会社の利益に利用され安易に尊い命を落とし、勝っても負けても影響のない戦争をスポーツのように大衆が観戦している、こんな状態は尋常じゃない、と言いました。
 これから推測されるに、都心の空中戦デモンストレーションは、敵がこうやっていつ攻めてくるかもしれないのだから、戦争も軍備も必要だ、というこの世界の政権の人心誘導術だったのでしょうね。
 それはわかりますよ。その価値観は、あんがい今の地球社会と離れていません。
 しかし飛行機がプロペラであることと、キルドレという不死の人種の存在がいまだ皆目わかりません。
 キルドレについては、自ら死を求める傾向があり、死と直面する仕事に望んで就きたがる事実があるそうです。それは、不死である自らの生命の永遠を拒んでいる、ということです。
 これもなんとなくわかる気がします。死なないということは地獄だという意見もありますから。
 しかしこのキルドレという、大人でも子供でもない?ような変異体の存在の原因と理由がわからないですね。
 謎といえば、カンナミという少年。彼とクサナギの関係もまた意味深です。
 お互いに共鳴するということは、過去か未来か現在かあるいは生物的に関係があるはずです。
 あるいは、この世界はカンナミという少年の夢の中の世界であり、クサナギは彼の投影したキャラクターかもしれませんね。今のところ、想像力のない私にすればこれが精一杯の飛躍だなあ(*^_^*)
 ま、なにはともあれ、10年近く前の本であんがい楽しませてもらってます。


 
 
 
 
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この記事へのコメント

- しのぶもじずり - 2014年12月23日 17:50:45

私は「スカイクロラ」で、森博嗣に挫折しました。
訳が分からんかったです。

Re - 焼酎太郎 - 2014年12月24日 08:55:46

(;´゚д゚`)エエー
ここまま、オチもなく終わっちゃうんですか、これ!?
それはちょっとイヤだなあ。
夢の中の世界か、異次元のお話で怪獣とかも出てくると思ってましたが・・・

ありがとうございました(´・ω・`)

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