「槐(エンジュ)」月村了衛

 行楽客が集まり、中学生の合宿も行われていた夏休みのキャンプ場に“半グレ”集団が襲いかかる。
 彼らのグループの名は、カリスマ的リーダー溝淵が率いる「関帝連合」。
 バイクを駆ってライフルで武装し覚せい剤でラリっている彼ら数十人が目指すのは、裏切り者の経理係が持ちだして隠した振り込め詐欺の利益約40億円。
 わかっている目印は、「赤い屋根の小屋」ということだけ。
 しかし、問答無用の殺戮を繰り返し、キャンプ場内をくまなく探索してもそれらしき建物はない。
 そのうち、グループ内で対立していた中国人系グループが、金の臭いを嗅ぎつけて姿を現した。
 ホンモノのチャイニーズ・マフィアの強面を伴って・・・

 一方、なんとか難を逃れた市立水楢中学校の野外活動部の合宿の面々。
 部長で3年生の弓原公一以下7名の生徒と、引率の脇田教頭に部活副顧問の由良季実枝先生。
 キャンプファイアの薪を拾いにいったままだった由良先生は、そのまま行方不明になった。
 そして、両親を半グレたちに殺された幼い兄妹2人と合流した彼らだったが、運悪く半グレたちに見つかってしまう。
 しかし、正体不明の襲撃者が突如として現れ、混乱のスキをついて逃げることに成功する。
 地理的な関係からキャンプ場では携帯電話が使用できず、通じている唯一の道は封鎖されているなか、彼らは懸命の脱出を試みるが・・・

 正直言いましょう、陳腐。
 時間の無駄。
 幼稚、安直、粗雑。手抜き。
 紹介文を見、バトルロワイヤルみたいで面白そうと意気込んで読んだのですが、なんという失敗。
 少し山田悠介みたいな砂糖たっぷりの甘ったるいお子ちゃまコーヒーみたいな味もする。
 余韻もクソもないラスト(笑)
 しいていえばカントリーマアムの一件だけが唯一の救いか。
 どうやったら、こんなしょうもない物語が書けたのだろう、なんせ、月村了衛だぜ?
 もう左手で違う話を書かなければならないほど忙しかったのでしょうかね。
 あんがいこういうのを映画にしたら原作改善で面白くなったりするのでしょうか。
 何が面白く無いって、こういう風になるだろうと想像することがすべてこういう風になる(苦笑)
 人物の掘り下げ度ゼロ。アクションの迫真性皆無。
 ただ内輪もめというか、仲間がいつのまにか敵に分かれて殺しあうだけのワンパターン。

 こうしたら少しは良くなったかなと思われる点。
 まずは創作に手抜きをしないことでしょうが、由良先生は無愛想で地味でメガネかけた由良先生のままでよかったのでは? 水楢中学校のグループは素人のままで戦う、逃げるでよかったと思います。
 だいたいなんで、日本赤軍最後の闘士なんてのが出てくるんですかね。
 それがバカらしいというか、陳腐なんだよなあ。
 戸籍乗っ取れば、ニセ教員もあり得るのか? と考えさせられたことだけはよかったですが。
 あともう少しピントを絞って、それぞれの対立組織を掘り下げなければならなかったですね。
 変な黒人を最後まで引っ張ってあんなあっさり死んだらもったいないでしょうよ。
 鄭だってもう少し強くなければ真打ちの値打ちがないですよね。
 薄っぺらい悪役キャラが多数すったもんだしても、読み応えゼロですよ。
 
 月村了衛、生涯の汚点になりましたね。


 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
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