「イン・ザ・ダーク」前川裕

 都内で発生した連続高級デリヘル嬢殺人事件。
 浅草、新橋、渋谷と高級ホテルを現場に所を変えて起きた3件の事件の被害者は、所属する店は違うがいずれも90分で料金10万円はするという会員制高級デリヘル嬢だった。
 それぞれの被害者の昼の職業は、航空会社の客室乗務員、大手商社の社員、老舗デパートの受付嬢で、優れた容姿に加え一流会社に勤めていることが、これら超高級デリヘルで働くことができる条件だったという。
 犯人に繋がる遺留品は残されていないが、いずれの被害者も浴室で絞殺され、部屋の痕跡から被害者の死後8~9時間にわたって犯人が室内に居続けたことがことが明らかになり、死後硬直性愛の性的倒錯者による連続犯行ではないかと云われていた。
 しかし、最初の事件が発生した浅草を管轄する浅草署に立てられた特別捜査本部の捜査は半年間、停滞していた。
 浅草署生活安全課主任の法然隆三は、風俗取り締まり担当であり捜査能力に定評があることから、部下の安中と共に刑事課の人間が集う捜査本部に配属されていたが、風俗街をくまなく歩いても何の取っ掛かりも得られなかった。
 さらに、女性警察官をデリヘル嬢に見立てた囮捜査は犯人によって逆利用され、捜査本部は大恥をかかされた。
 そんなとき、石川県の金沢からひとりの刑事が上京してくる。
 先月、金沢の旅館で、大友雪江という35歳の女性が首を絞められて殺害されているのが発見された。
 調べてみると雪江の故郷は金沢だが、東京大学を卒業して以来雪江は東京の大手ゲームメーカーでキャリアウーマンとして広報課長をしていた。ところが、彼女は会社内外でどうやら売春をしていたという。
 法然は、この金沢で殺害された雪江が、東京で殺害されたデリヘル嬢と接点を持っていたことに気づく。
 しかし、いったん人間関係が繋がり始め、ほのかに展望が見え始めたのも束の間、事件は思わぬ深い深い闇へと口を開けていく・・・

 はい。
 ドロドロしてるんですが真梨幸子とはまた感じが違う、不気味な雰囲気のミステリーですね。
 この作者はずっとこういう傾向でして、私もずいぶんと読んでいるのですが、本作が不気味さでは一番かもしれません。
 といっても、過去作で覚えているものはないのですが\(^o^)/
 少なくとも、ミステリーとしての面白さはともかくとして、非常に不気味というか怪しいですね。
 細かいところで不自然というか、引っかかる部分はあるんですけどね、なんで梓がこうなったのか経過がありませんし。
 過去に、雪江が引きつけを起こしていたときに、イタズラをしてしまったのかもしれないですね。
 それが発端、とか。
 変態性的嗜好というのは、ふとした実体験に基づいているようですから。なにか理由があるのですよ。
 それでも、従姉妹が好きなだけで何人もの女を殺してしまうサイコパスが、40歳を過ぎた一流企業の営業課長というのは、ちょっと設定が苦しいと思いますね。いくら父親が殺人犯でその血を受け継いでいるとしても・・・変。
 末期がんで自分の先の人生がなくなったから、どうでもよくなったのでしょうか。
 なんか、それだとこじつけっぽいですよね。
 尾崎先生が唾液や分泌物に興味があるのは、作者のミスリードです。
 冒頭、雪江はよだれを拭われますが、犯人が分泌物フェチとは一言も書かれていません。
 私の場合は、安中、尾崎先生、梓と脳内の真犯人が変遷しましたが、あまりにも早い段階で梓が線上に浮かんだので、そのまま終ってしまってあ然としましたね。このままかよ、と。
 まあ、不気味な雰囲気と変態性を読む小説なんでしょうけど・・・
 性的変態性は、誰にでもありますね。
 特にIQの高い人間にはその傾向が強いようです。
 相手を愛してセックスをするのか、相手の身体を使って自慰をするのかの違いなんですね。


 
 
 
 
 
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